AI処理の流れ

AI識別の流れ

AIモデルを学習後、
未知検体を識別。

未知検体が何かを知るためには、まず正解のわかっている検体から取得したパルスで、AIを学習させます。次に、学習によって、検体中の粒子を識別する能力を身につけた学習済AIモデルに対して、未知検体から取得したパルスを入力すると、未知検体中の粒子の種類が、学習済AIモデルから出力されます。

以下では、その処理の概要を説明します。

第1段階:学習

たとえば、犬の写真、猫の写真、猿の写真を見分けるAIを作りたいとします。このためには、犬の写真(「教師データ」といいます)と「犬」という正解(「教師ラベル」といいます)を紐付けて、AIモデルに入力することで学習させます。猫、猿も同様に学習させます。

ただ、犬にもいろいろな種類がいます。写真によって向きや背景も違うでしょう。実用的なAIには、どのような犬の写真であっても「犬」と回答する能力(「汎化性能」といいます)が求められます。
十分な汎化性能を持つAIモデルを作るためには、数多くの教師データ/ラベルを学習させます。猫、猿ついても同様に多数の教師データ/ラベルを学習させます。これにより、十分な汎化性能を持つに至り、写真に依らず生物学的な種を判断できるAIモデルを、「学習済AIモデル」といいます。

アイポアAI粒子識別でも、種類が既知である試料からとったパルスを教師データとしてアイポアAIモデルを学習させます。実際に粒子のポア通過は一様ではなく、同一試料から得られるパルスも統計的な分布を有します。したがって、多数のパルスを学習させることで、実用的な汎化性能を持つ学習済AIモデルを作ることができます。犬・猫・猿を各々教師データで学習させるように、識別対象の粒子各々について既知の試料から得られる大量のパルスを教師として、AIモデルを学習させます。

第2段階:識別

学習済のAIモデルに、未知の写真や未知の検体からとったパルスを入力します。すると、AIモデルが未知粒子の識別結果を返します。これが「識別」です。

犬、猫、猿を見分ける場合、高い汎化性能を持った学習済AIモデルは、どのような条件下(たとえば、構図、背景、撮影手段など)で撮影された写真であっても、被写体の生物学的な特徴を正しく言い当てることができます。

アイポアAI識別でも同様に、十分な学習をおこなったAIモデルは、宿主や計測条件の違いを超えて、ウイルス等の生物学的な違いを正しく識別できるようになります。